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過蓋咬合(かがいこうごう)とは?
過蓋咬合とは、上下の前歯のかみ合わせが異常に深い状態を指します。英語では「ディープバイト」とも呼ばれます。通常、上の前歯は下の前歯を2〜3mmほど覆う程度ですが、過蓋咬合では下の歯がほとんど見えないほど深く覆われてしまうのが特徴です。
この状態は、見た目の問題だけでなく、咬み合わせや顎関節、奥歯への負担など、将来的な口腔トラブルにもつながる可能性があるため、早期の相談が推奨されます。
過蓋咬合の原因とは?

過蓋咬合の原因は、大きく分けて遺伝的な骨格要因と、後天的な癖や生活習慣に分類されます。
遺伝的な要因
- 顎の骨のバランスに偏りがある(上顎が大きい/下顎が小さい)
- 上の前歯が前方に突出している
- 下の前歯が内側に傾斜している
後天的な要因
- 指しゃぶり
- 舌で歯を押す癖
- 歯ぎしりや食いしばり
- 常習的な口呼吸
- 舌を噛む癖 など
過蓋咬合を放置するとどうなるの?

過蓋咬合は、進行すると以下のようなリスクが高まります。
1. 出っ歯のように見える
下の歯が上の歯に常に押されるため、上の前歯が前に押し出されてしまうことがあります。見た目の印象にも大きく影響します。
2. 顎関節への負担増
深すぎる噛み合わせは顎関節に無理な力をかけるため、将来的に顎関節症(口が開きにくい、音が鳴る、痛みがあるなど)を引き起こすリスクがあります。
3. 奥歯のトラブル
前歯でしっかり噛めないため、奥歯に過剰な負担が集中し、歯が欠けたり、詰め物が外れたり、最悪の場合には奥歯を早期に失う可能性もあります。
4. ガミースマイル・顔の印象の変化
過蓋咬合は上唇が上がりやすく、「ガミースマイル(歯茎が見える笑顔)」になりやすい傾向があります。また、下顎が小さく見えるためエラが張って見えたり、顔が短く見えたりすることも。
過蓋咬合の治療方法とは?
過蓋咬合は多くの場合、歯列矯正で改善が可能です。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明なプラスチック製の取り外し可能な装置(アライナー)を一定期間ごとに交換しながら、歯を少しずつ動かしていく矯正方法です。代表的なブランドには「インビザライン」や「クリアコレクト」などがあります。
【特徴】
- 透明で目立ちにくい:装着していてもほとんど気づかれず、接客業や営業職の方にも人気です。
- 取り外しが可能:食事や歯磨きの際は外せるため、口腔内を清潔に保ちやすいのが大きなメリット。
- 痛みや違和感が少ない:金属を使用しないため、口内炎や痛みのリスクが比較的低め。
- 軽度~中等度の症例に対応:叢生(デコボコの歯並び)やすきっ歯、前歯のねじれなど、比較的単純なケースに適しています。
【注意点】
- 決められた装着時間(1日20時間以上)を守らないと十分な効果が得られません。
- 重度の噛み合わせ異常や骨格性のズレには適さない場合があります。
- 装置の自己管理が必要なため、こまめな着脱が面倒に感じる方も。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーで歯に持続的な力をかけて動かしていく方法です。長年にわたり最も広く行われている矯正治療です。
【特徴】
- あらゆる症例に対応:叢生・出っ歯・受け口・開咬・過蓋咬合など、複雑な不正咬合にも対応可能。
- 精密な歯のコントロールが可能:微細な調整がしやすく、歯の回転や移動の精度が高いのが強みです。
- 装着時間を自己管理しなくても良い:装置が固定式のため、マウスピースのように「つけ忘れ」の心配がありません。
【注意点】
- 装置が金属製で目立ちやすい(セラミック製や裏側矯正も選択可能)。
- 歯磨きがしにくく、虫歯・歯周病リスクがやや高まる傾向にあります。
- 調整時に痛みを感じやすい場合があります。
比較項目 | マウスピース矯正 | ワイヤー矯正 |
---|---|---|
対応症例 | 軽度~中等度 | 中等度~重度 |
装置の見た目 | 透明で目立ちにくい | 金属で目立ちやすい(目立たない素材も選べる) |
取り外し | 自由に可能 | 固定式で外せない |
通院頻度 | 1〜2ヶ月に1回程度 | 1ヶ月に1回程度 |
費用の目安 | やや高め | 比較的リーズナブル |
過蓋咬合矯正の注意点

1. 顔の印象が変化する場合がある
過蓋咬合は見た目にも関係する症状です。治療によって下顎の位置が適正化されると、小顔感が薄れたり、顔の長さが変わったように感じることがあります。あらかじめ医師とシミュレーションで確認しておくと安心です。
2. 部分矯正は難しいケースが多い
過蓋咬合は奥歯を含むかみ合わせ全体のバランス調整が必要なため、前歯だけの部分矯正では対応が難しい傾向にあります。全顎矯正になるケースが多い点は、あらかじめ理解しておきましょう。
過蓋咬合でお悩みでしたら
ぜひご相談ください
過蓋咬合は、「見た目の悩み」だけでなく、将来的な噛み合わせや顎の健康にも関係する重要な症状です。「これって噛み合わせが深すぎるのかな?」と思われた方は、ぜひお気軽に河合歯科矯正歯科にご相談ください。
丁寧なカウンセリングと豊富な治療経験をもとに、あなたに合った矯正方法をご提案いたします。
このページの監修者

河合歯科 矯正歯科





当院はこれまで
1,665件の矯正治療を
手掛けてきました。
これまで積み重ねてきた
経験と知識を基に、
お1人お1人に合った
適切な治療をご提供いたします。
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カウンセリングとは別の日に検査をお受けいただく場合には、検査費用として別途3,150円を頂戴しております。
リスク:
マウスピース装着による不快感・痛み、歯根吸収等の副作用があります。矯正後に後戻りすることがあります。
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